あなたの腰痛の常識はもう古い!?腰痛の悪循環を招く間違った常識5選

整体院や整骨院、あるいは病院にいってと腰痛が治らないと悩んでいませんか?

もしかしたら間違った対処法をしているせいで症状が改善しないのかもしれません。

 

ここでは腰痛の悪循環を招く間違った常識5選をご紹介します。ぜひ、ご覧ください。

健康の専門家が増えているのに腰痛患者は減らない

どうして、医学が発達しているのに、年々腰痛の患者数が増えているのか?現代医学が腰痛や肩こりに対応できていないのか?

 

疑問に思ったことはありませんか?

 

平成25年と平成28年までの腰痛の有病率を見てみましょう。

 

【男性】

平成25年:腰痛有病率92.2

平成28年:腰痛有病率91.8

 

【女性】

平成25年:腰痛有病率118.2

平成28年:腰痛有病率115.5

 

3年間経過して、若干は減少したものの非常に高い有病率を誇っています。ちなみに平成28年の時点で腰痛の有病率は男性で1位、女性で2位です。

 

これだけ病院や整骨院、整体院が増えているにも関わらず悩む方はほとんど減っていない。

 

なぜか?

 

その理由は腰痛の間違った常識がいまだにまかり通っているからです。

腰痛の治りを悪くさせる5つの間違った常識

ここからはあなたに腰痛の正しい常識を知って頂きたいと思います。ここに上げているものはすでに数年前、場合によっては10年以上前に常識ではなくなったものです。

【間違いその1】腰痛は加齢が原因で起こる

(山口義臣&山本三希雄:整形外科MooK,1978~2005) 

腰痛の最も多い年齢は30~40代です。上のグラフを見ると50代以降は腰痛が減る傾向にあることが分かります。

 

これはなにを表しているかというと『構造的な変化と腰痛はイコールではない』と言うことです。

 

実は腰痛は骨の変形や椎間板の変性との関連は薄いということがデータで示されています。もしも、構造的な問題と腰痛との間に関連があるのなら年齢を重ねるに従って腰痛が増えていくはずです。

 

しかし、調査してみるとそうはならない。

 

もしも整形外科や整体院、整骨院で『あなたの腰痛は加齢が原因です』と言われていたら、それは違います。本当の原因は加齢以外の部分にあるのです。

【間違いその2】椎間板ヘルニアが原因で腰痛が起こる

(Boos N.et al:Spine.1995) Volvo賞 受賞

上のグラフは腰痛がない無症状の方を対象とした研究です。

 

行われた研究では『腰痛がない方に椎間板の異常があるのか?』を調査するために行われました。

 

結果は

 

痛みが無いのにも関わらず、椎間板ヘルニアは76%に存在

痛みが無いのにも関わらず、椎間変性は85%に存在

 

です。

 

つまりこれはMRIなどで椎間板ヘルニアや変性が発見されたとしても腰痛にはなんら関係ない場合がある、ということを意味しています。

 

反対に腰痛で病院に行った場合はかなりの確率で腰の異常が見つかるということです。

 

 ※この研究は国際腰痛学会のVOLVO賞(年に一度のノーベル賞にあたる賞)を受賞しているので、専門家であれば、必ず知っているはずの情報なのです。

 

余談ですが、椎間板変性は3歳から起こります。

 

「3歳~10歳で椎間板への血液供給量が減少し始めるとともに軟骨終板にも亀裂が認められ、11歳~16歳では繊維輪の亀裂や断裂といった椎間板構造の崩壊がみられた。」

(Boos N.et al:Spine.2002) Volvo賞 受賞

【間違いその3】腰椎すべり症・分離症が原因で腰痛が起こる

(Bigos SJ.et al:Clin Orthop.1992)

1992年、アメリカのBigosらがある研究をしました。

 

・ぎっくり腰の経験がある203名

・6カ月以上腰痛を抱えている200名

・雇用前に健康診断を受けた労働希望者207名

 

に対し、レントゲンの画像診断をして骨の異常検出率を比較したのです。結果は3つのグループで異常検出率に差はありませんでした。

 

もしも骨の異常と腰痛に関連があるとしたら一般の健康診断を鵜受けたグループだけ検出率は低くなるはずです。

 

しかし、実際にはそうはなりません。つまり骨が変形していても大丈夫、ということです。

【間違いその4】肉体労働だと腰が痛くなる

腰痛で当院に来院された方にお話を詳しくお話をお聞きすると、特に男性の方は仕事柄、身体を使うので腰痛になったのではないかとおっしゃる方が多いです。

 

しかし、実際はどうでしょうか?

 

山口義臣・山本三希の研究によれば、職業別に腰痛患者数を調べてみると、もっとも腰痛が多かったのは、無職の方々で、肉体労働者と専業主婦とではさほど差がないようです。

 

つまり肉体労働だから腰痛になりやすいとは言えないということです。前かがみになったり、重たいものをなったりすることと腰痛にはそこまで因果関係がなさそうです。

【間違いその5】腰痛は安静が一番

(Malmivaara A.et al:N Engl J Med,1995)

腰痛に限らず、まず指導されるのは「安静が一番!」ではないでしょうか?『炎症が起こっているだから、動いてはだめ』ですよね。

 

しかし、多くの研究で指示されているのは「出来る範囲で普段通りの日常生活を続ける」方が痛みの引きが早く、さらに再発率も低いということ。

 

はっきりいって安静は回復を遅らせます! なぜなら、どうしても痛みの方に意識がいってしまうからです。

 

そして自宅で安静にしていると、活動範囲が狭くなり、身体が硬くなります。さらに体液の循環が悪くなり、老廃物が蓄積してしまうのです。

 

これらは、いずれも痛みを作りだしてしまうため痛みの悪循環が始まります。安静は腰痛にとってマイナスな影響が大きいということです。

まとめ

これらの研究データはごく一部ですが、これまでの腰痛に対する概念が変わりつつあります。

 

もちろん意識の高い医師もおられ、腰痛への正しい治療を行っている医療機関を存在します。しかし日本の現状では、この記事であげたような腰痛の間違った常識がまかり通っているのです。

 

当院では、あなたによりよい医療が提供されることを心より願っております。

 

 また使わせていただいたデータは、TMSジャパンにより提供していただいた資料です。

より詳しくお知りになりたい方はホームページをご覧ください。

「国際腰痛診療ガイドラインの勧告に従った腰痛治療プログラムを提供するTMSジャパン公式ブログで、2010年3月5日にいぎカイロプラクティックが紹介されてます。」

参考文献

・ TMSジャパン

・うみかぜカイロ