実は内臓・臓器の病気…腰痛の隠れた原因を紹介します

腰痛の原因は、もしかしたら内臓・臓器の疾患かもしれません。

 

ほとんどの腰痛は原因不明だと言われており、原因がわかる腰痛では筋肉や骨の疲労や損傷が原因になっていることが多いです。

 

しかし中には「臓器の病気」や「背骨にできた腫瘍」が原因で腰に痛みが出るケースも。

 

腰の痛みを引き起こす臓器・内臓の疾患について解説します。

臓器が原因で起こる腰痛

腰痛の原因は腰の筋肉や骨の問題だけではありません。腰の痛みとは関係なさそうな部位の病気が、腰痛を引き起こしているケースもあります。

 

 

腰の痛みが長引くなら、以下のような病気が潜んでいるかもしれません。早めに病院・クリニックを受診して検査することをおすすめします。

脊柱腫瘍

脊柱(背骨)にも悪性腫瘍(がん)ができることがあります。

 

背骨のがんはほかの臓器(肺がん、乳がん、前立腺がんなど)から転移することが多く、強い腰の痛みを感じます。

 

腰痛の感じ方や自覚症状の特徴は以下のとおりです。

  • 痛みが強くなる
  • 安静中も痛い
  • 夜も痛い

腫瘍が転移した位置により、下半身麻痺や排尿障害などの症状が出ることもあります。

消化器系の疾患

消化器系の病気も腰痛を引き起こします。具体的には、以下のような疾患が考えられます。

  • 胃・十二指腸潰瘍
  • 胆石
  • 胆嚢炎
  • 膵臓炎

このなかで代表的なものは胃・十二指腸潰瘍。胃潰瘍では、背中側に潰瘍ができると腰に痛みが出ます。

 

消化器系の病気では、腰痛のほかに吐き気・嘔吐、血便、腹痛などの症状があることも多いです。

泌尿器系の疾患

以下のような泌尿器系の病気でも腰痛が起こります。

  • 尿路結石
  • 腎結石
  • 腎盂腎炎
  • 前立腺がん

このうち尿路結石は石(カルシウムなどのかたまり)が尿路をふさいで激痛を起こす病気で、腰痛もおこります。

 

泌尿器系の疾患では、排尿障害や血尿などの症状もあらわれるケースが多いです。腎盂腎炎などでは発熱も起こります。

婦人科系の疾患

婦人科系の病気でも腰の痛みが起こります。代表的な病気は以下のとおりです。

  • 子宮内膜症
  • 子宮がん
  • 子宮筋腫

「おりものの増加」「不正出血」「月経痛がひどくなる」などの症状が出ることも。

 

子宮筋腫が大きくなった場合には、お腹をさわったときに「しこりのようなもの」「硬いもの」に気づく人もいます。

 

また子宮内膜症の患者さんのうち、50%以上もの人が腰痛を感じるといわれています。

循環器系の疾患

循環器(心臓や血管)と腰痛はなかなか結びつかないかもしれませんが、以下のような病気で、腰痛が起こることがあります。

  • 心筋梗塞
  • 解離性腹部大動脈瘤

心筋梗塞では「胸の痛み」が一般的ですが、背中や腰がぎゅっと締めつけられるように痛むケースも。解離性大動脈瘤では、引き裂かれるような腰やお腹の激痛が突然起こります。

 

循環器の疾患は、迅速に処置しないと命にかかわります。

まとめ

骨や筋肉の以上だけではなく、「臓器の病気」や「背骨にできた腫瘍」も腰痛の原因になりえます。具体的には、背骨に転移したがん、胃潰瘍、腎結石、子宮筋腫や心筋梗塞などです。

 

消化器系から循環器系まで「腰痛とは関係なさそう」な病気でも、症状として「腰の痛み」があらわれるケースがあるんですね。

 

「単なる腰痛」と自己判断せず、「腰痛が長引く」「楽な姿勢がない」「安静にしていても痛い」などの場合位は、消化器科や泌尿器科、婦人科などを受診してください。

 

原因がわからなければ整形外科へ。検査の結果で内臓疾患が原因だとわかれば、適切な診療科へ紹介してもらえるはずです。