腰痛と尿意が同時に起こるのって病気?放置してはいけない危険な腰痛

腰痛を感じはじめるようになってから、我慢できないくらいの尿意も頻繁に感じるようになった…

 

そう感じている人はいませんか。

 

腰痛と尿意にはあまり関係がなさそうに思えますが、実は腎臓や泌尿器科の病気が原因で、腰痛と尿意が同時に起こることがあります。

 

今回は腰痛と尿意の関係についてご説明します。

腰痛と尿意が同時に起こることってあるの?

内臓の病気によって腰痛と「強い尿意・トイレの近さ」が同時に起こることがあります。とくに疑われるのは、腎臓や泌尿器からくる病気。

 

腎臓由来の疾患は、どれも腰や背中の痛みを引き起こすことが多いのです。

 

腎臓は血液中の老廃物を取り除く働きがある臓器です。そのため腎臓が正常に働かなくなると、体内に老廃物がたまっていきます。

 

その結果、腰痛とあわせて「トイレが近い」という症状がでることがあります。

腰痛と尿意が起こる病気

では腰痛と尿意が起こる病気にはどのようなものがあるのでしょうか。代表的な病気を3つ紹介します。

急性膀胱炎

比較的女性に多い病気で、身体の抵抗力が落ちているときに、大腸菌が膀胱に侵入して引き起こされることが多いと考えられています。

 

長時間トイレを我慢したときや、過労・ストレス、月経などが膀胱炎のリスクを高めます。

 

急性膀胱炎の代表的な症状は「頻尿」「急な強い尿意」「トイレ時の痛み」「1回に出る尿の量が少ない」などです。

 

膀胱炎が悪化してくると発熱や腰痛が起こり、腎盂腎炎につながります。

腎盂腎炎

急性膀胱炎が悪化して引き起こされることもあるのが腎盂腎炎(じんうじんえん)。急性膀胱炎を起こした細菌が膀胱から腎臓にまで入り込み、炎症が広がった状態です。

 

急性膀胱炎の症状に加え、悪寒、高熱、腰痛の痛みなどがある場合は腎盂腎炎を疑いましょう。

 

また「夕方から夜間に体温が上がり、朝には下がる」を繰り返すのも腎盂腎炎による発熱の特徴。

 

腎盂腎炎と診断されたら、2週間程度入院して、安静と投薬で治療を行うことが多いです。

腎結石

腎結石とは、尿の中にあるシュウ酸が結晶化して大きくなったもの。結石が腎臓内にとどまっているうちはほぼ無症状なので、検査や健診で腎結石が見つかっても放置されることが多いです。

 

腎結石では強い症状が出ることはまれですが、「だるい腰痛」を感じることもあります。

 

そしてこの結石が尿管におちてくると尿管結石という状態になり、突然激痛に襲われます。強い腰痛があわられることもあります。

 

尿管結石のち療法は、鎮痛剤で痛みを抑えながら、自然に排石されるのを待つのが一般的。結石が大きい場合や自然に排石されない場合は、手術することもあります。

腰痛と尿意が起こったらどうする?

腰痛と「強い尿意」「頻尿」が同時に起こったら、腎臓の病気が治療できる泌尿器科を受診することをおすすめします。

 

泌尿器科では検尿で尿中の赤血球や白血球の様子を調べます。また超音波検査で腎臓内に結石などの異常がないかも検査するでしょう。

 

「本当に腎臓の病気かどうか疑わしい」「最近スポーツしていて腰をぶつけたし、整形外科かも」と思う場合は、総合診療科を受診してみるのもおすすめ。

 

総合診療科は、特定の臓器や病気にとらわれずに診断を行ってくれる診療科。「どの診療科にかかったらいいかわからない」というときの強い味方です。

まとめ

腎臓や泌尿器の病気によって、腰痛と尿意が同時に起こることがあります。

 

腰痛が起こると「筋肉や骨に問題がある」「姿勢が悪いからだ」と思いがちなのですが、実は内臓からくる腰痛もあるのです。

 

腰痛と尿意で腎臓・泌尿器系の病気を疑ったら、泌尿器科を受診しましょう。自信がない場合は総合診療科も選択肢のひとつになります。